箱の路地裏

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XBOX Series Sは次世代機の足を引っ張るのか?

発表された次世代機ですが、超概略を下の表にまとめました。

機種名 スペック(解像度) サイズ(イメージ)
XBOX Series S 4Tflops(2560x1440p@60 ~ 120fps) 小さい(ネピアティッシュ箱くらい)
XBOX Series X 12.15Tflops(3840x2160p@60 ~ 120fps) 大きい(鼻セレブを立てた感じ)
PS5 最大10.28Tflops(3840x2160p@60 ~ 120fps) さらに大きい(初期型PS3を横に引き伸ばした感じ)

※PS5のスペックに最大とありますが、最大ブースト時の数値で定格クロックは未発表の為です。

XBOX SeriesはS、Xの2機種でスペックが異なっていますが、一部のユーザーからは懸念が浮上しています。次世代機のゲームタイトルはXBOX Series S|X, PS5, PCでマルチ展開ですが、Series Sでも動作するように開発が余儀なくされる為に次世代機のスペックを使い切るような超ド級に重たいゲームが登場しないのではないかと言われています。

確かに10Tだの12Tだのスペックで1080p@30fpsのゲームはきっと、実写より綺麗で思わず吐息がこぼれてしまうフォトリアルなゲームになることでしょう。ですが、それが出せるゲーム会社はどれだけあるのでしょうか?美麗なグラフィックを追求し続ければ開発費は右肩上がりで高騰、開発メンバー数百人態勢を何年も続け疲弊し一本のゲームを完成させるのに開発費は数十億~数百億円にもなり、プロジェクトはリスキーの塊を大きくするばかりです。

様々な問題に対して解消方法や思惑が絡み合い、現在の形となっているのでしょうが、個人的にマイクロソフトは以下を考えているのではないかと思いました。

ゲームクリエイター及び業界の成長

現在のゲーム開発は大手ゲーム会社のAAA級、小規模インディーズの2極化が進んでいます。AAA級は当たればデカいですが、外せば大赤字で会社が傾く場合もあります。インディーズは途中で開発が頓挫するケースも目立ってきています。無事に発売できても雀の涙程度の売上…。極まれに大当たりする場合もありますけどね。

マイクロソフトが打ち出したXBOX GAME PASSはそれらの助け舟となる可能性を秘めています。今までは興味を持った中の一部の人達がゲームを購入していました。買うまでもないなと判断された場合、Youtubeで実況動画を観てそれでお終いでしたが、ゲームパスであれば取り合えずダウンロードして遊んでもらえるようにはなりました。これによって薄く広く幅広いユーザーから収益を上げられるようになりました。

他に、マイクロソフトの自社タイトルは発売日当日からゲームパス入りする為、わざわざ購入する必要はありません。浮いたお金はサードパーティ製のゲームの購入費用に充てる事が出来ます。サードパーティのゲームを買えばそれは次回作や新たな野心作のゲーム開発費に充てられます。それによりゲームクリエイターをより多く雇うことが出来、彼らの技術力向上の機会を設け、それが業界のさらなる発展に繋がります。

クリエイターが育つ事で様々なアイディアのゲームが世に登場し、ゲームパス入りすることで多くの人がゲームを楽しむ事が出来ます。

基準とする解像度及びfps値の向上

マイクロソフトはユーザーフィードバックを随時行っており、多く上がっている「グラフィックは綺麗でも低解像度で30fpsはもう嫌だ。4Kとまでは言わないがせめてfpsだけは60にしてくれ」という声に真摯に受け止めたと発表していました。そこでゲーム機の美麗グラフィックの基準を1080p@30fpsから2160p@60fpsに引き上げようとしているのではないかと思います。グラフィックは一旦、足踏みして次世代機は解像度とfps値の飛躍を目指しているのではないでしょうか(足踏みといってもレイトレーシング等あるので進んではいるのですが)。

これを実現する為にSeries Sでも動作するゲーム開発を強いることでSeries Sの4K解像度版、12Tflopsでの2160p@60fpsのゲームグラフィックを実現させる魂胆なのではないでしょうか?

60fpsへの向上はどの環境でも恩恵はあると思います。が、4Kに関してはどうでしょう?私はXBOX ONE Xの為に4Kモニターを用意しましたが、4K解像度の恩恵を受けられるモニター、テレビを部屋のレイアウトの関係で設置できないという方もいるのではないでしょうか?そういった方々には4K解像度基準のゲーム機はオーバースペックだと思います。4Kは要らないけど次世代機は欲しい、そういった方にSeries Sは最適だと思いますし、ゲーム機の値段も2Kの分、無駄に払う必要が無くなります。

兎にも角にもゲームパス

第一目標として、XBOX GAME PASSの加入者を増やしたいというのも大きいのかなと思います。SNSを見ていると、4KゲーミングはPS5でいくけど、GAME PASSで色んなゲームを遊びたいから本体が安いSeries Sも買って二刀流スタイルでいく方もちらほら見かけました。マイクロソフトXBOX GAME PASSの加入者を一人でも多く増やす事に力を入れている為、結果的にこれらの戦略は成功に向かっているのではないかと思います。

結局、足を引っ張る可能性は?

で、色々と書いてみましたが、結論を言うとSeries XやPS5で1080p@30fps基準の綺麗なゲーム開発をしようとするとSeries Sが足枷になるのは事実だと思います。仮にそんなゲームを開発するとなると、Series Sを動作対象外とするか、出来なければXBOXマルチプラットフォームを外すといった判断を下す事になるのではないかと思います。が、マイクロソフトも全力で阻止したいわけでXBOXユーザーを増やす事や開発環境の整備に力を入れる事でマルチプラットフォームから外せない状態を構築しようとしています。

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